宇宙は何でできているのか

(著者)村山 斉 むらやま ひとし
(出版社)幻冬舎 幻冬舎新書

いま,素粒子物理学は格段の進歩をとげ,あらたなステージにさしかかっているようです。

iketが大学生だった頃,いろいろな素粒子が見つかりつつあり,それらをどのように整理すればよいのか,混乱していた時代でした。南部陽一郎の理 論がでて,クォークが提唱されてまもなくの時代で大学の教授も半信半疑でした。小林・益川の理論が提唱されたのはその頃でした。

それから半世紀近くがたち,理論も進化し,実験・観測も長足の進歩を遂げました。まさに,素粒子新時代の幕開けですね。その新時代を易しく解説する第一人者とiketが思っているのが村山斉さんなのです。

素粒子物理学は宇宙論につながりますが,とっても難しいのでしょう?

いえいえ,そんなことはありません。研究者になるのなら,物理,数学,・・・とそれ相応の力が必要でしょうが,現在のようすを知るのならそれほど大層な知識はいりません。興味と少しだけの根気があれば十分です。

本当によく分かっている人が,本当によく分かってもらいたいと思っている編集者と組んで本気で分かってもらおうとして書いた本は本当によく分かります。この本はまさによく分かる本です。現場の最前線の息吹が伝わってきます。iket絶賛です。

素粒子の基礎から,クォーク,4つの力,ヒグス粒子,ニュートリノ,暗黒物質・・・,よくここまで書いたものだとびっくりします。是非手にとって読んでみてください。