科学と科学者のはなし 寺田寅彦エッセイ集

(編者)池内 了 いけうち さとる
(出版社)岩波書店 岩波少年文庫

寺田寅彦随筆集を少し前に紹介しましたが,寺田寅彦エッセイ集が図書館にありました。

新しい本なので,ずいぶん読みやすくなっています。

先に紹介した「電車の混雑について」・「科学者とあたま」も収録されていますが,他にも「茶碗の湯」や「金平糖」・「津浪と人間」など皆さんに非読んでもらいたい文章がいっぱ収められています。是非手にとって読んでください。

ラーニングピラミッド雑感

下の図は,近頃よく見るラーニングピラミッドと呼ばれる図です。皆さんよくご存じですね。

図1

%で書いてあるのが記憶の定着率です。実際にやってみる75%,教える90%となっています。受け身でなく,能動的な取り組みが大変効果的だというわけですね。ikeTも,その通りだと思います。

一方,講義5%,読む10%となっています。本当にそうでしょうか。ikeTは違っていると思います。何か抜けているように思います。論語に次の一節があります。

子曰く、学びて思わざれば則ち罔し(くらし)、思いて学ばざれば則ち殆し(あやうし)

孔子先生がおっしゃったことには,「学ぶばかりで、自分で考えなければ、本当の知識にはならず身につきません。また、自分で考えるばかりで,学ぼうとしなければ、独善的になり危険です」。

講義は,学習の一過程に過ぎないのです。物理の学習では,これまで,予習・授業・復習・演習がワンセットになって,インプットからアウトプットまで を行っていたのではないでしょうか。教科書や参考書などを調べてみても分からないところがあれば,友達と教え合い,解決できなければ,先生に質問に行くと いうこともやっていました。また,問題演習でも,筋道をしっかりとさせて解答を試みるということをやっていました。これは,授業自体は講義主体の一斉授業 であっても,学ぶ主体の生徒はラーニングピラミッドの全体を実は行っていたのですね。

逆に,いくらラーニングピラミッドにしたがって,学び合い,教えあう授業を受けても,自ら学ぼうとしない人はそこで止まってしまい,たいした効果は 上がらないのではないでしょうか。是非,学び合い,教え合いに積極的に関わって,その後の復習・演習もしっかりとやりましょう。自分で考え,取り組んだこ とが力になるという,あたりまえといえば,あまりにもあたりまえなikeTの結論です。

世の中はシンプルか?

iketは物理はシンプルなのでおもしろいと思いました。公式も覚えることはごくわずかで,式を立てて解けば答が出てくるので,問題練習はたく さんしましたが勉強は楽でした。大学では物理で使う数学が高校とは比べものにならないくらい大変になってきました。結構マジな体育会系だったので両立は大 変でした。物理は,アイデアはシンプルでもそれを表現する数学が複雑です。数学者にいわせると,大学でやるような数学はまだまだシンプルなのかもしれませ んが。

さて,この世の中は複雑極まりないように見えます。でも,きっと基本はシンプルに違いありません。難しくしているのは何なのでしょうか。皆さんは 「相田みつを」という人を知っていますか。書道家ですが,とってもシンプルに人生をとらえた書を多く残されました。iketは気に入っています。図書館か 本屋さんで見つけてみてください