日別アーカイブ: 2015年7月20日

ラーニングピラミッド雑感

下の図は,近頃よく見るラーニングピラミッドと呼ばれる図です。皆さんよくご存じですね。

図1

%で書いてあるのが記憶の定着率です。実際にやってみる75%,教える90%となっています。受け身でなく,能動的な取り組みが大変効果的だというわけですね。iketも,その通りだと思います。

一方,講義5%,読む10%となっています。本当にそうでしょうか。iketは違っていると思います。何か抜けているように思います。論語に次の一節があります。

子曰く、学びて思わざれば則ち罔し(くらし)、思いて学ばざれば則ち殆し(あやうし)

孔子先生がおっしゃったことには,「学ぶばかりで、自分で考えなければ、本当の知識にはならず身につきません。また、自分で考えるばかりで,学ぼうとしなければ、独善的になり危険です」。

講義は,学習の一過程に過ぎないのです。物理の学習では,これまで,予習・授業・復習・演習がワンセットになって,インプットからアウトプットまでを行っていたのではないでしょうか。教科書や参考書などを調べてみても分からないところがあれば,友達と教え合い,解決できなければ,先生に質問に行くということもやっていました。また,問題演習でも,筋道をしっかりとさせて解答を試みるということをやっていました。これは,授業自体は講義主体の一斉授業であっても,学ぶ主体の生徒はラーニングピラミッドの全体を実は行っていたのですね。

逆に,いくらラーニングピラミッドにしたがって,学び合い,教えあう授業を受けても,自ら学ぼうとしない人はそこで止まってしまい,たいした効果は上がらないのではないでしょうか。是非,学び合い,教え合いに積極的に関わって,その後の復習・演習もしっかりとやりましょう。自分で考え,取り組んだことが力になるという,あたりまえといえば,あまりにもあたりまえなiketの結論です。