スーパー望遠鏡「アルマ」が見た宇宙

(著者)福井 康雄 ふくい やすお
(出版社)日本評論社

南米のチリ北部にある標高5000mの大変広い高地アタカマ。そこに建設された「アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計」,略してALMA(アルマ)に関する本が新しく出ました。

序章は,アルマ望遠鏡の仕組みが記述されています。数多くの電波望遠鏡を組み合わせ,データをコンピュータ上で結合して観測するというものですからその理屈を理解するのも少々大変です。また,電波は光にくらべて波長が長いですから,光で観測するのとはまた違った宇宙像が得られます。

第1章からは,アルマの観測データを用いつつ,この宇宙のようすを丁寧に紹介しています。それでも,すこしレベルが高い本のように思います。このような本で最新の情報に触れながら,読みやすい入門書もあわせ読んで,知識を深めていくのが大切だと思います。天文学や宇宙に関する入門書はたくさんありますから,ぜひ,この本にチャレンジしてみませんか。うまく皆さんの興味とマッチすれば,どんどんいろいろな本を読んでいけばよいのです。そんなきっかけになりそうな本だと思います。