科学者はなぜウソをつくのか 捏造と撤回の科学史

(著者)小谷 太郎 こたに たろう
(出版社)dZERO

近年STAP細胞で日本の科学界が揺れに揺れたことは記憶に新しいことです。多くの優秀な科学者がそろっていながらなぜこんなことが起こるのでしょうか。

実は,こういったことはこれまでにも何回となく繰り返されてきたのです。かなりの長期間にわたって発覚しなかった例もあります。日本の考古学界で も,神の手とよばれた発掘の名人がいかさまを行っていたことが2000年に明らかになりました。ほぼ4半世紀にわたって,不正を行っていたようです。 世界でも,同じような例が数多く見られます。

この本では,8つの事例を取り上げて,その経過をわかりやすく記述しています。その結果,共通点が見られます。本人以外再現できないこと,周囲の人 が確認を怠っていることなどです。怪しいと思いながらも,盛り上がってしまって言い出せないのですね。 決して人ごとではありません。実験のデータをいい加減に扱ったり,友達のレポートを適当に書き写したりしている人は,立派な予備軍かもしれません。いずれ ばれるのがわかっているのになぜ?きっと,始まりは些細なことだったのだろうとiketは思います。引き返せなくなってしまうほど大きな反響を呼んでし まったのでしょうね。

皆さんも是非考えてみて欲しいなと思います。